東京クリッピングprivate2

昔のブログ。はてなダイアリーから移行。Twitterからの連携のみでの更新。

下谷万年町物語@シアターコクーン

先日読んだ、三橋順子「女装と日本人」(講談社現代新書)という本で、戦後の上野(下谷万年町)に男娼のコミュニティがあり、上野公園で警視総監が殴打され帽子が奪われた事件があったことを知ったのですが、ちょうどこのお芝居、唐十郎脚本・蜷川幸雄演出の「下谷万年町物語」があるということで見に行ってきました。

Bunkamuraシアターコクーンの中2階立見席。3幕3時間以上ある芝居で立ち見は辛かったのですが、座っていたら寝てしまったでしょうから、これで良かったのかも。
舞台に池がしつらえられ、出演者たちは水にざぶざぶとつかっていきます。主演の宮沢りえも太モモもあらわにびしょぬれになりながらの熱演でした。大勢のオカマのダンスも異様な迫力。
警視総監の帽子と6本目の指というモチーフで物語は進んでいくのですが、正直、ストーリーはよくわからないまま終わってしまいました。

前掲書によれば、この警視総監殴打事件で上野公園の取締りが厳しくなり、上野から追われた男娼たちは他の盛り場に散り散りになっていったということで、この芝居でかかれている異常な熱さは、一時代の終焉を示す爆発のようなものなのでしょうか。